『話せる英語ドリル300文』1ヶ月間継続学習した正直レビュー
結論から言って、とても良い本に出合えました!おすすめです!
信頼のアルク。Versantスピーキングチャレンジで紹介されていたのを見て、Amazonのレビューも上々だったのでKindle版を即購入。 何せ三日坊主なので新しい教材を買うときにはかなり慎重に検討して、実物を書店で確認することが多いのですが、今の自分の課題にあまりにもぴったり合っている本だと直感し、珍しく即断でした。
オンライン英会話を1年近く継続してきた今、私が特に感じている課題は、
- 英語らしいイントネーションで話せない(ある程度スピードをつけて話しているのに、全く英語らしく聞こえない)
- 考えてから話すまでに時間がかかる(考える→話すを自動化できていない)
という2点。発音そのものも褒められたものではないけど、それ以上にイントネーション(短縮・連結・脱落などを含む)と、反射的にパッと発言できる語彙・フレーズの少なさに悩んでいました。25分間楽しく先生とおしゃべりすることはできるようになったけど、ここを解消しないと、実践的なコミュニケーションはきっと難しい。
この本の目的は「汎用的な表現を、使いたい時にさっと口から(それも正しい発音とイントネーションで)言えるようにすること」なので、まさに私のような人にうってつけの1冊になっています。
テキストの構成と学習法
テキストは1日10文×30日=計300文で構成されています。例文は電話、会議などのビジネスシーンが中心で、仕事で英語を使う機会がある方であれば、すぐに重宝しそうな例文が豊富にラインナップされています。
学習時間は1日15分間~でOKとありましたが、かなり濃密なトレーニングなので15分では厳しい。実際、なんとか学習を継続して1ヶ月経過しましたが、実はまだ1周目が終わっていません……。
1日30分~45分の学習時間を毎日確保できる場合は、30日間で1周完走することも可能かと思います。無理に毎日1単元をこなそうとするよりも、2日で1日分くらいのつもりで音読パートを時間をかけて何度も練習したり、余った時間を学習済みの単元の復習に充てたりするのが個人的にはおすすめです。
Step1 今日の例文
著者である浅場先生のブログに、Step1ではディクテーションを行うのがおすすめと書かれていたので、頑張って実践しました。
第3回「はなドリ 300」活用法:Step 1 聞き取れない理由を知る | ビジネス英語研修のQ-Leap株式会社
Step1用の音声は英文→和文になっているので、Step2用の音声を使います。
ディクテーションは負荷のかかるトレーニングだし、紙とペンが必要になるという点でもハードルが高いけど、確かに効果は絶大です!マイルールで3回までは繰り返し聞いてOKとし、適当な裏紙とかではなく手帳を使って記録を残すことで、少しでもモチベーションを保てるようにしました。ディクテーションが終わったらStep1用の音声に戻り、和文を踏まえて聞き取れなかった箇所に入る単語を推測した後、答え合わせをします。
Step2 音読
この本を使ったトレーニングの肝になる部分です。Amazonで試し読みできるので実際の誌面(試し読み16ページ)を見ていただきたいのですが、音読用例文には読み方の記号が記載されています。
この記号によって、
- イントネーションフレーズの境界
- 声の高低(ピッチ)の動き
- イントネーションフレーズの核(フレーズ内の最も重要な語)
- 弱音化、連結/同化、脱落する部分
といった、非ネイティブの英語学習者には理解しにくい要素が見事に「見える化」されているんです。記号に沿って素直に発話してみるだけで、抑揚と流れのある、なんだかとても「英語っぽい」読み方になるのがとても嬉しい!
Step2の音声をリピートしながら、各英文がするっと口から出るようになるまで音読練習を続けます。
Step3 瞬間文構築
音読用の記号に一目惚れして、他のパートについてはあまりよく確認せずに購入してしまったのですが、瞬間文構築のトレーニングがあるのは嬉しい驚きでした。
例文を3分割して順序を入れ替えた音声を聞き、各フレーズを記憶して、正しい形の文にして発話する、というトレーニングです。
一時的に文やフレーズを覚えておく能力を短期記憶力(リテンション)と言うそうで、特に通訳を目指す方にとっては必須の能力だと言われています。Versantにも瞬間文構築やリピーティングといった短期記憶力が問われるセクションがあるのですが、これが想像以上に難しい!新しいフレーズを聞いているうちに、覚えていたはずのフレーズがどんどん頭から抜けていくんです。それはもう笑っちゃうくらい。
この本では既に知っている文を使うので、難易度は低いですが、自宅で気軽に短期記憶力のトレーニングができるのはとてもありがたいなと思います。*1
Step4 瞬間空所補充
「今日の例文」と同じ構文で、単語や語順を少し変えた問題文を使った瞬間空所補充。先頭の文字と和文を見てパッと文を作る、簡単なようでいて実は歯応えがあるメニューです。
Step4の音声は和文→回答用ポーズ→英文の1回きりなのですが、Step4の正解音声(英文)のみを収録したトラックがあるともっと便利だなあと思います。特に、最近はあえてテキストを見ず、音声だけで挑戦しているので、答え合わせのときに英文だけ聞きたいなと。
Step5 今日の語句
重要単語、表現など。ここはサクッとテキストで確認&音声を繰り返して終わり。汎用的なフレーズ集を目指していることもあり、基本的に単語はあまり難しくないです。TOEIC600点くらいの方であれば、大体は知っている単語なんじゃないかと。
An Extra Step まとめのトレーニング
今日の例文を聞いて、一言一句正確に繰り返すトレーニング。
基本は文章を見ながら行うリピーティング、余裕があれば文章を見ずにリプロダクションに挑戦しています。
音声ファイルの構成
Step1:英文→和文
Step2:英文→リピート用のポーズ
Step3:瞬間文構築(語順をバラバラにしたもの→回答用のポーズ→英文)
Step4:瞬間空所補充(和文→回答用のポーズ→英文)
Step5:重要単語・表現
An Extra Step:英文(ポーズなし)
音声だけでも学習できちゃうんじゃない?と思うくらい、過不足なく使いやすい構成になっています。ただし、Step4に関してはやっぱり英文のみ(ポーズなし)のトラックもほしいなというのが正直な感想。あるいはAn Extra Stepに20文まとめて収録されていたらとっても嬉しい。
学習継続のコツ
アルクのアプリ「ALCO」をフル活用する
ALCOはアルクの教材で学習する人にとっては必須のアプリです。無料で簡単に音声がダウンロードできるのはもちろん*2、特筆すべきはその使い勝手の良さ。
0.5倍速から3倍速まで9段階で速度を選べるのはもちろん、2秒送り・2秒戻しはディクテーションにぴったりだし、トラック内の任意の区間をリピートすることもできます。もはやちょっとしたDJ気分。
スマホとFire HDにALCOをダウンロードし、Kindle版のメリットを活かして
スマホ:音声(外出用)
Kindle PaperWhite:本文(外出用)
Fire HD 8 Plus:音声&本文(自宅用)
という三本立てで学習していました。Fire HDなら音声も本文も一台で済むけど、結構重くて早々に持ち歩くのは早々に断念しています。Fire HDがベッドサイドに鎮座しているため、寝る前に5分だけでも勉強するか……というわずかなやる気を逃さずに済んで大変良いです。
1ヶ月のトレーニングを経て
途中で挫折しそうになりつつも、通勤時間はスマホ+Kindle、家ではFire HDというマルチデバイス体制でなんとか1ヶ月完走しました!とはいえ、1日1単元こなせない日もあったので本自体はまだ終わっていません。引き続き学習を継続していきます。
一番大きな学習効果の実感としては、初めて見る英文でも読み方の記号が何となく浮かぶようになったこと。今までよくわかっていなかった語尾の上げ下げとかが、文の構造から判断できるようになってきた気がします。
同じような悩みを持っている方に心からおすすめできる一冊です!