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『日経LissN』やってみた/難易度は?コスパは?長文・正直レビュー

日経LissNをご存知ですか?日経ビジネススクールが提供する、リスニングに特化した英語教材です。

school.nikkei.co.jp

最新の信頼できるニュース記事を題材にして英語を学習できたら、同時に時事関連のインプットができて一石二鳥ですよね。あるいは、普段から日経新聞を愛読されている方の場合は、知っているニュースが題材なので多少難しい英文であっても理解がしやすいのではないかと思います。

WEBサイトを見る限りでは、特に英語を学習したい社会人にとってはかなり良い教材のような気がするのに、いまいち知名度が高くないのはどうしてだろう?ということで、次から次へと色々な英語教材を試してみる(そして挫折する)ことに定評のある私が、本音でレビューします!

※記事内のキャプチャー画像は、全て日経LissN モバイルブラウザ版のものです。

概要

ニュース記事が1日5本配信

日本経済新聞やNikkei Asian Reviewのニュース記事が毎日5本ずつ配信されます。*1

ある日のラインナップは以下の通り。

・関西企業、通常稼働へ前進
・中国全人代、香港版「国家安全法」議論へ
・英アストラゼネカ、ワクチン9月に供給へ
・日銀、企業金融支援総枠75兆円 臨時会合で正式決定
三菱航空機、人員を半減 スペースジェット量産も停止

5本全てが2週間ほど前に日経電子版に掲載された記事でした。なお、いずれも教材用に再構成されています。

基本的な学習ステップはリスニング→理解度テストというとてもシンプルなもの。

読み上げスピードの変更が可能

読み上げスピードは0.7倍・1.0倍・1.2倍・1.5倍・2.0倍の5段階から選択可能。巻き戻し時間も3秒・5秒・10秒から選択できて地味に便利です。

本文の難易度の割には(本文が難しいからこそ?)読み上げスピードはやや遅め。個人的には1.2倍がちょうどいいと感じました。

なお、私が聞いたナレーターは、カナダ人男性・アメリカ人男性・オーストラリア人女性の3名で、どの方の英語もとても聞き取りやすかったです。それぞれの記事にナレーターの出身国が国旗で表示されるようになっています。

日英のテキストの表示/非表示を切替可能

読み上げられた音声だけで内容を理解できるのがベストですが、馴染みのない話題のときにはなかなか難しいもの。英語と日本語のテキストが準備されているので、テキストを目で追いながらリスニングしたり、音声を聞いた後でどのくらい聞き取れたかを確認したりすることができます。

英語のみ・日英併記・日本語のみの3パターンで表示可能。

教材の特徴

法人プランはブラウザ、個人プランはiPhone向けアプリで受講

少しややこしいのですが、日経LissNには法人向けと個人向けの2種類の契約方法があります。教材の内容はどちらも同じですが、法人プランはWEBブラウザ・個人プランはiPhone向けアプリでの受講となります。残念なことにandroid向けのアプリは実装されていないので、androidユーザーの方は法人プランのみでの利用となります。ちなみに、私もandroidユーザーです……。

なお、ブラウザ版はChrome, Firefox, Edge, Safariに対応しており、PC、iPhoneandroidのいずれからも問題なく利用可能です。

画面の構成

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ログイン後のトップ画面です。とてもわかりやすいなと思います。

学習時間の目安は1日10分に設定されています(変更不可)

2分~2分半くらいの教材がメインになっていて、配信される5本を全部1回ずつ聞くというよりは、興味のある1~2本を選んで何度も聞く方法が推奨されている様子。

それぞれの記事の右上にブックマークした人の人数が表示されていますが、まだあまりユーザーが多くないのか、過去に配信された記事を遡ってみても多いもので90人程度でした。

メモ機能

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学習する記事を開いたときの画面です。上部にテキストの表示方法切替、下部に音声再生用のリモコン機能。至ってシンプルなので使い方で戸惑うことはないかと。

特に使いやすいなと感じたのがメモ機能。本文中に青地で表示されている頻出単語を押すと、そのまま単語と意味をメモに保存することができます。頻出単語以外の単語やフレーズを選択して保存することも、もちろん可能。特にPC版の場合は本文をドラッグで選択すると自動的にメモに保存するための画面が表示されるのでとても便利。

頻出単語以外の和訳を保存したい場合は、テキストを日英併記に切り替えておきましょう。

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保存したメモはメニューバーの「メモ」からいつでも確認可能。特に復習したいフレーズは「復習リスト」に入れることもできます。

フレーズを並べ替えたり、ランダムでテストしたり……といった凝った機能はありませんが、とにかく見やすくて個人的には好感度高め。

理解度テスト

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それぞれの記事に3問ずつ理解度テストがついています。右上の100点マークから受験可能。言い換えの問題が多いこともあって、本文中にない単語が問題文にたくさん使われているので語彙力が貧弱な私は毎度苦戦しています……。

問題文・選択肢・解説全て英語のみ表記です。

教材の難易度

率直に言って、結構難しいです。教材毎に難易度が★~★★★で設定されていますが、一番簡単な★の等速ならば音声のみでなんとか理解できるけど、★★だとテキストを目で追いながらじゃないと厳しい。

また、ニュース記事という特性上、全く知らないニュースの場合は知らない単語が続出して、★でもさっぱり理解できないことも……。

語彙力と基本的な文法がしっかり身についていることが前提かなと思います。

気になる料金は?

法人プラン:月額1500円/1ID(3ヶ月単位、20ID以上からの受け付け)

個人:アンリミテッドプラン月額980円、ベーシックプラン月額600円。

法人プランとアンリミテッドプランは過去配信を含むすべての記事が無制限で閲覧可能、ベーシックプランは直近1ヶ月分のみ閲覧可能。個人的にはよっぽど日経LissNが気に入って、「英語学習はこれ一本で頑張る!」って人以外は、ベーシックプランで十分なんじゃないかなーと思います。

月額600円で5本×30日=計150本の良質なニュース音声が聞けるのは、なかなかコスパがいい気がします。元々が日本語の記事なので訳文も違和感がないですし。

トライアルの正直な感想

N=1の感想ですが、TOEIC800点以上レベルの方が、通勤電車の中などで手軽にリスニングに取り組むための教材、というのが正直な印象です。と言いつつ、私も一応はTOEIC800点以上(リスニングの最高点445点)のはずなのに、結構気合を入れて聞かないと理解できないですが。

完全にリスニングに特化した教材で、文法事項の解説等、付帯的な機能は一切ありませんが、シンプルで見やすい画面でサクサク学習できるのはいいところ。また、前述の通り英文の難易度は高めですが、日本語訳がついているので外国のニュースサイトよりは気軽に取り組めるかと思います。

無料で日本語訳付きの英語ニュース音声が聞けるWEBサイトと言えば、NHKゴガクの「ニュースで英語術」が本当に優秀で、昨年度までであれば正直なところ「『ニュースで英語術』があればわざわざ有料のアプリをダウンロードしなくてもいいかも?」と思っていたところですが、今年度からサービス範囲が大幅に縮小されて、スクリプト閲覧のみになってしまったので、日経LissNは痒いところに手が届くサービスかもと思います。

iPhoneアプリであれば1ヶ月無料でアンリミテッドプランを体験できるので、興味がある方は是非お試しください!

apps.apple.com

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*1:祝日・お盆・年末年始期間は1日3本とのこと